新著『超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル』9月18日に発刊

皆様へ

 暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。本日は私の新著の発売のご紹介させてください。

 9月16日ワニブックス社から『超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル-仕事で使える5つの極秘技術』が発刊されます。ワニブックス社は桜林美佐様の『陸海空 軍人によるウクライナ侵攻分析』の出版社です。

 タイトルは、読者の関心を引き付けようとの意図が見え見えですが、内容はインテリジェンス・リテラシーやビジネス力をつけるために役立つ内容です。

 本日は同著の前書き部分(修正前原稿)を紹介させていただきます。

善く(よく)戦う者は、勝ち易きに勝つ者なり。故に善く戦う者の勝つや、智名も無く、勇功も無し。

→勝者は無理のない、勝って当然な勝ち方をする。「能ある鷹は爪を隠す」。それが諜報員の戦い方である。

  故に三軍の事は間より親しきは莫く、賞は間より厚きは莫く、事は間より密なるは莫し。

→組織トップは、諜報員を最も信頼し、高い俸給が与え、しかも諜報員とのことは秘密にしなければならない。つまり、諜報員は組織にとって必要不可欠な存在である。

■この世で最も“頭の回転が速く”なければならない職業

「会話や物事の理解度が高い」

「仕事を効率的に行なう」

「情報をまとめたり、整理できる」

「人の心が読める、人を操れる」

「記憶力が高い」

「物事の先を読める」

「決断力がある」

 多くのビジネスパーソンが憧れる、〝頭の回転が速い人〟とは、このような能力や資質の持ち主を指すのであろう。

 むろん、これだけの能力が備わっていれば、仕事やビジネスで成果を出すことはたやすいだろう。だからこそ、あなたは「頭の回転が速くなる技術」について書かれた本書をご所望されたのだろう。

 実は、冒頭に並べた能力・資質をほぼすべて兼ね備えている仕事人がいる。それが諜報員だ。本書で定義する諜報員とは、アメリカのCIA、イギリスのMI6、ロシアのSVR、イスラエルのモサドといった諜報機関で、敵対勢力に対し、「戦わずして勝つ」を信条に水面下での情報戦に従事している者の総称である。

 彼らは、情報を収集し、分析してインテリジェンスを作成したり、時に秘密工作に従事し、また、国家の重要な秘密情報を守るミッションを遂行する。

諜報員がミッションに失敗すれば、国や国民は危機に瀕する。個々の諜報員には死刑、投獄が待っている。まさしく、重要かつ命がけの職業だ。

諜報員は、高い倍率を突破し、長期間の基礎教育と実地教育で篩にかけられ、勝ち残った超一流のエリートである。

 すなわち、諜報員こそは、この世で最も「頭の回転が速くなければ務まらない職業人」なのである。

 本書のテーマは、世界の優秀な諜報員が実践している「思考」と「行動」の型を紹介し、それをあなたに使いこなしてもらうことだ。

■努力、まじめさ、よりもダークスキルで成果が出る

 誰もが仕事に対して、努力し、まじめに働いていることだろう。それなのに、なぜ、成果が出ないのだろうか。それは、結果につながらないことをやっているからだ。すなわち無駄なことに力を注いでいるからだ。

 諜報員は国家の危機を救うなど大きな成果を出している。そんな優秀な諜報員の仕事の流儀に従えば、あなたは無理なく成果が出せるだろう。

 諜報活動は社会の水面下で粛々と行われるため、諜報員の成功が華々しく語られることはない。すなわち、諜報員のスキルはダークサイドのスキルなのである。しかし、インテリジェンスに関する研究書や歴史書、元諜報員の自伝や執筆物から、ダークサイドのスキルから一部は我々に役立つスキルに置き換えることはできる。また、欧米では、企業がインテリジェンスの重要性を認識していることもあり、退職する諜報員は今も昔も、企業から引く手あまたの状態だ。経営者として成功している元諜報員も多い。

 つまり、諜報員のスキルの中で汎用性の高いものは、ビジネスの世界に流入し、活用されており、これらスキルが成果につながることは実証済みである。つまり、ビジネスパーソンがこれらスキルを使えば必ず、頭の回転を格段に速めることができる。

 諜報員は、緊迫した状況で成果を出さなければならない。だから諜報員のスキルは「ムリ、ムダ、ムラ」を排除したシンプルで理に適っている。すなわち、諜報員のスキルはビジネスパーソンにも容易に理解できるし、実践しやすいのだ。

 また、かつては国家機関で情報の収集と分析に携わり、今はビジネスパーソンの一人となった我が、重要な情報を選りすぐり、自分の経験も踏まえて、できるだけ平易に解説した。

本書で書かれていることを、あなたが実践すれば、ビジネスの成果を出すことは間違いないと確信する。

■元情報分析官等の経験から解説

日本にはCIAのような海外で秘密ミッションを行なうような機関はないが、「日本に諜報機関があるか」と問われば微妙である。なぜならば、諜報という言葉は元来、目的を秘匿する情報収集活動であって、そこにはオープンソース(公開情報源)を集め分析する活動も含むからだ。

 このような活動はいかなる国も当然のこととしてやっている。だから、私がかつて就いていた「情報分析官も諜報員か」と言えば、(我が国では諜報がダーティーなもとのイメージが定着しているので非常に答えにくいが)「そうだ」と言えるのかもしれない。

 私はかつて、情報幹部、情報分析官、情報学校の共感、在外大使館員などとして勤務していた。本格的な諜報員のように身分を隠すようなことはなかったが、オシントやヒューミントを収集し、分析した。また、各国情報機関の公開の情報分析マニュアル、各国のスパイマスターや諜報員の自伝を渉猟し、彼らの思考法から、自らの情報収集や情報分析のスキルを磨いてきた。

 簡単に言うと、インテリジェンスとは情報(インフォメーション)を料理することだ。集めた情報を自分なりに解釈し、意思決定、行動に活かせる形にしたものがインテリジェンスである。

 現在、私は一介のビジネスパーソンである。そこで残念に感じることがある。ビジネス界にはスキルアップ研修の場は数多くあるが、インテリジェンス・リテラシーを高めるための研修は少ない。つまり、インテリジェンスの重要性は次第に認識されつつあるものの、それがスキルとなってビジネスに適用されることには不十分である。

 これからは、社会がますます不確実性を帯ていくとともに、高度なICT社会の中で情報が氾濫する。だから、インテリジェンスや諜報の重要性が増大するだろう。それは相手側の情報の活用と、自らの情報のセキュリティという両面においてである。

 本書は、元諜報員が自らの体験をビジネス向けに書き下ろした著書の中から、ビジネスパーソンが活用できるエキスを抽出して1冊に再構築した。そこに、私の経験から得た知見でもって体系整理と内容の肉付けをおこなった。本書はインテリジェンスリテラシーの入門書としての価値も高いと確信する。

■本書の構成

 本書は次のような構成になっている。

01の章では、諜報員がいかに優れているか、どんな組織で、どんな活動を行ない、どんなスキルを持っているかを紹介する。

02の章では、情報収集法を紹介する。諜報員がどのように秘密情報を集めていくのかがわかる。

03の章では、人心掌握の技術を紹介する。諜報員が、協力者を見つけ、思い通りに動かすテクニックがわかる。

 04の章では、記憶術を紹介する。キーワードや人の話の内容を覚える技術、記憶を瞬時に引き出す方法がわかる。

05の章では、情報分析の技術を紹介する。03章までの技術を駆使して集めた情報から、有効な意思決定、行動を行なうためのインテリジェンスを作成する要領の一端がわかる。

06章では、目標達成のための実行力を高める方法を紹介する。冷静に、迅速に、柔軟に考え、行動する技術が身につく。

 ところどころに、歴史的なスパイ戦についてもお話しているので、楽しみながらスキルを身につけていってほしい。

                                  (以上)

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