地球環境問題(2)

■ 温暖化は本当なのか?

 地球規模で気温が上昇し、気候が変動することを「地球温暖化」といいます。これが気候の大幅な変動をもたらし、異常気象の頻発や高潮による洪水、干ばつによる農業の停滞、食糧不足など甚大な影響をもたらすとされています。

  気候温暖化は本当なのでしょうか。今世紀中には地球全体で3~5度の気温が上昇して、南極の氷などが解けて、東京都が水没するなどの悲観的な予測もあります。他方、地球温暖化を盛んなに謳っているのは、金儲けのためのビジネスであると主張する人もいます。

 北極の氷が解けていることは事実です。この原因は温暖化であると思われます。これに関して、北半球では温暖化が進んでいるが、赤道付近では温暖化は進んでいないという情報もあります。

 日本への影響を考えれば、気温が3度くらい上昇したところで何の問題もない。北海道の気温が上がれば、過ごしやすくなるということをいう人もいます。

 要するに、仮に地球が温暖化するとしても、どの程度か、どのような様相になるのか、どのような影響が生じるのかは良くわからないのが実情なのでしょう。

■温暖化の原因は?

 地球が温暖化すると仮定し、その原因はなんでしょうか。一つには、二酸化炭素などの温室効果ガス説があります。すなわち人為的原因説です。

 もう一つは、太陽の軌道の影響です。これは自然的原因説であって、人為の及ぶところではありません。

 ただし、その原因が特定できないとすれば、原因である可能性があり、人為的な対策が可能な温出効果ガスの排出規制を行うことが重要だということには説得力があります。

■国際社会の取り組み

 国際社会は定期的にCOP(気候変動枠組条約締約国会議)を開催し、温出効果ガスの問題に取り組んできました。

 1997年に京都で行われたCOP3で「京都議定書」が採択されました。「京都議定書」では、先進国を対象として、温室効果ガスの排出を規制しました。つまり、発展途上国はこれから経済発展を進めていくために、温室効果ガス削減の義務は負わせずに、経済的に余裕がある先進国のみで、地球全体の温室効果ガスの排出を削減しようとしました。

しかし、これでは中国のように自らを開発途上国と称して、議定書に参加しない国も出てくるわけです。そこで、2015年にパリで行われたCOP21でパリ協定が締結されました。これは、187の国と地域が締結して、2016年11月4日に発効しました。世界の温室効果ガスの排出量を2050年以降、今世紀後半に実質的にゼロにすることを目標に掲げています。

 今度は先進国だけでなく、発展途上国を含む全ての参加国を対象にしました。これから温室効果ガスの増大が予測される開発途上国を含めたのですから、京都議定書とは実効性が違いますしかし、温室効果ガスの削減にはお金がかかりますので、経済力の弱い発展途上国にとって過酷です。だから、先進国は発展途上国に対し資金援助をすることになっています。

 京都議定書では、その削減目標が話し合われ、各先進国ごとに、たとえば日本は6%、EUは8%、米国7%という目標が定められました。一方、パリ協定は各国が自分で目標を決めてそれを達成する、ということになりました。各国はそれぞれが目標を定めて、そのための政策を決定・実行して、その実績をモニタリングして、また新たな目標を立てることになっています。

◼️米民主党政権の取り組み

 パリ協定の締結に最も熱心であったのが、米国のオバマ元大統領でした。地球温暖化は「グローバル・イシュー」であるとして、全世界で協力しなければならないと主張し、中国やインドも説得してパリ協定を実現したと言われています。オバマ氏は議会の承認を得ずに大統領権限でパリ協定への加盟を決定しました。

 民主党は環境問題に熱心です。2007年、アルゴア元副大統領の講演活動を記録した映画「不都合な真実」が全世界で大ヒットしました。

 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、温暖化の主因が人為的な温室効果ガスの増加だとほぼ断定して環境への影響を予測する報告書をまとめ、ゴア氏とともにノーベル平和賞を受賞しました。

 温暖化対策は、2007年6月のドイツ・ハイリゲンダム主要国首脳会議(サミット)でも最重要議題となり、各国が緊急に協調行動を取ることで一致し、12月には国連の気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)と京都議定書第3回締約国会合(COP/MOP3)がインドネシア・バリ島で開かれ、2013年以降の「ポスト京都」の国際協定づくりに向けた行程表が協議されました。

◼️トランプ政権はパリ協定から脱退

 しかし、トランプ氏、大統領に就任する以前から地球温暖化について「でっち上げだ」と主張して否定的な立場をとっていました。トランプ支持者のほとんどは、温暖化は単なる自然現象であると主張します。温室効果ガス理論を信じる者は、クリントン支持派6割、トランプ支持派は3割半でした。また、石炭産業などを意識して就任前から、パリ協定からの離脱を公約に掲げていました。

 当選後、支持者を前にトランプ氏は「私は、一方的で金がかかり、恐ろしいパリ協定からの離脱を発表した」と述べて公約の実現をアピールしました。つまり、トランプ氏は前政権が認めなかった原油パイプラインの建設計画の推進を指示するなど、環境保護よりも産業や雇用創出を重視する姿勢を鮮明にしました。

 トランプ前政権は2019年11月4日、パリ協定からの離脱を国連に正式通告しました。ポンペオ国務長官が同日付の声明で明らかにしました。パリ協定第28条1項には、「この協定が自国について効力を生じた日から3年を経過した後いつでも、寄託者に対して書面による脱退の通告を行うことにより、この協定から脱退することができる」とあります。これに基づき、トランプ前政権は国連に正式通告したのです。ただし、協定第28条2項で、協定離脱が有効となるのは正式通告から1年後です。

◼️バイデン政権の取り組みは?

 これに対し、当時の野党であった民主党はトランプ氏の決定を批判しました。2020年の大統領選挙の民主党有力候補であったバイデン前副大統領(当時)は2019年11月4日、ツイッターに「気候変動の危機的な状況が日々悪化しているのに、トランプ大統領は科学を放棄し、国際社会でのアメリカの指導力も放棄し続けている。恥ずべきことだ」と投稿しました。サンダース上院議員も「世界を気候変動による大惨事に陥れるのは誇るべきことではない」と非難しました。

 離脱の通告を受けて米国は2020年11月4日に離脱しました。すなわち2020年の米国大統領選挙の翌日のことです。この時には、いずれが勝利するのか選挙の趨勢は判明していませんでした。その後、バイデン氏が大統領になりました。バイデン大統領は就任当日、すなわち2020年1月20日に大統領令でパリ協定へ復帰しました。

 はたしてバイデン新大統領は、地球温暖化問題でどのような取り組みをおこなっていくのでしょうか。この問題では、中国との協調が不可欠ですが、安全保障面での米中対立を解消することは容易ではありません。

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