新年あけましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。今年もニュースレターをお届けします。
私の仕事始めは1月5日(月)からですが、年明け早々、トランプ政権によるベネズエラ軍事行動の動きなどもあり、今年も波乱含みの一年になりそうです。

さて、台湾をめぐる情勢です。今年は、いわゆる「2027年危機」の前年にあたります。産経新聞の1面「年のはじめに」では、「『台湾有事の前年』に日本は手をこまねいていたと後世に言われてはなるまい。まさか戦争はないだろうと油断し、ほぞをかんでも遅すぎる」との論調が掲げられていました。

一方で、中国専門家の中には、台湾有事が起こる蓋然性は必ずしも高くない、あるいは台湾有事論そのものが米国の軍事費獲得や対応策を正当化・可視化するための枠組みだ、という見方もあります。私自身も、その指摘を全面的に否定する立場ではありません。

しかし、同紙でも引用されているように、米国国防省が昨年公表した中国の軍事力に関する年次報告書では、「中国は2027年末までに台湾における戦争に勝利できると見込んでいる」と分析しています。インテリジェンスの基本は、公式発表をまず額面どおりに受け取り、その上で検証し、必要な備えを進めることにあります。楽観と悲観のどちらかに傾くのではなく、示された前提条件にどう向き合うかが問われているのだと思います。

箱根駅伝は今年も青山学院の圧勝

今年の正月も、例年どおり全日本実業団駅伝と箱根駅伝を見て過ごしました。元日は新聞を買いに近所のコンビニに行き、あとは3日まで駅伝観戦。ある意味、変わらない正月です。

箱根駅伝は、青山学院の3連覇。まさに令和の常勝軍団という言葉がふさわしい結果でした。最大の見どころは、箱根山登り5区での黒田朝日選手の激走でしたが、それ以上に印象的だったのは、6区以降の復路で全員が区間3位以内に収まるという層の厚さでした。

これは、原監督によるリクルートや育成といった中長期の戦略と、当日の適材適所の配置という戦術が噛み合った結果だと言えるでしょう。同時に、選手たちが恵まれた環境の中で、学生寮での共同生活を送り、黒田選手のキャプテンシーが発揮されることで、チーム全体の底上げが進んだことも大きいと思います。それを支える学校関係者、勝利がもたらす潤沢な資源とスタッフ、企業の協力。こうした好循環が、青山学院の強さを支えているのでしょう。

もっとも、どれほど隙のないように見える組織であっても、好循環が永遠に続くわけではありません。人生もまた同じで、順調に回っているように見えても、どこかに気づかない歯車の狂いが潜んでいます。今年も、その小さなリスクが顕在化し、拡大しないよう、意識して過ごしていきたいと思います。

今年、1年よろしくお願いします。

高市総理に対する「撤回せよ」はどういう意味

最近、レアアース禁輸の話が出てから、メディア、野党議員、経済界の人たちが口をそろえて言います。

「高市総理は発言を撤回すべきだ」
「撤回しなければ日中関係はおさまらない」

ただ、不思議なことがあります。誰も、撤回の中身を言わないのです。


撤回とは、何をすることなのでしょうか。
国内向けに言い直すことなのか。
中国に説明を入れることなのか。
それとも、中国の主張を認めることなのか。

ここが語られないまま、「撤回しろ」という言葉だけが飛び交っています。


少し具体的に考えてみます。

もし「撤回」の中身が、「台湾有事で集団的自衛権は使われない」
という意味なら、話は分かります。

さらに言えば、
「台湾は中国の国内問題だ」
「米国が関与する前提は成り立たない」
「日本に存立危機事態は生じない」

こうした考えを、日本の総理に言わせたい。そういう意味になります。


ただ、これをそのまま言葉にした瞬間、多くの国民は首をかしげるでしょう。

「それ、本当に日本の安全につながるのか」
「米国との関係はどうなるのか」
「中国の言い分を先に認める必要があるのか」

だからでしょうか。誰も、この文章案を口に出しません。


代わりに使われるのが、
「撤回」
「配慮」
「関係改善」

便利な言葉です。中身を書かなくても、批判した気分になれます。


レアアース禁輸についても同じです。

「撤回しなければ経済が困る」
「日中関係が悪化する」

では、何を撤回するのか。
日本は、どこまで言葉を引っ込めるのか。
どこから先は言ってはいけないのか。

ここは語られません。


たぶん、多くの人は分かっています。
中身をはっきり書くと、自分の立場が国民に説明できなくなることを。

だから、意味は共有したまま、言葉だけをぼかす。


主張が正しいかどうかは、別の話です。
対中関係を重視する考えも、あり得ます。

ただ、
撤回という言葉だけを投げて、
中身を言わないのは議論ではありません。

それは提案ではなく、雰囲気づくりです。


「撤回すべきだ」と言うなら、
こう言えばいい。

「台湾有事は日本の問題ではない」
「中国の立場を日本は尊重する」
「その代わり、経済の安定を取る」

それを言えないなら、
撤回という言葉に、意味を詰め込むのはやめた方がいい。


最近の議論を見ていると、
日中関係が不安定なのか、
言葉の使い方が不誠実なのか、
分からなくなることがあります。

少なくとも一つ言えるのは、
撤回の中身を言わない限り、
賛成も反対もできない
、ということです。

議論をしたいなら、
まず文章を書きましょう。
話は、それからです。