中国の新型空母「福建」が24日就役?(2025年7月20日作成)

暑い日が続きますね。関東もやっと梅雨明けです。エアコン全開。ずっと前に明けたと思っていました。参院選挙は下馬評のとおり、参政党の飛躍。10年前からヨーロッパでは極右政党が伸長。反グローバリズムの動きが日本まで押し寄せているのでしょうか。

新しい『防衛白書』も先日刊行。中国の軍事活動の活発化との内容に中国が反発。これも例年通りの状況です。

先日はこんな記事も。「中国空母が日本周辺で米空母の迎撃訓練、米軍役と中国軍に分かれ対抗…台湾有事を見据え実施か」

中国海軍の空母2隻が6月に日本周辺の太平洋上などに展開した際、米空母打撃群の迎撃を想定した演習を実施していたようです。中国空母「遼寧」と「山東」は5月下旬以降、日本周辺の太平洋上に同時展開し、米軍役と中国軍に分かれて対抗する形式の訓練を行ったようです。

「中国の新型空母「福建」が24日就役か 初の電磁式カタパルト配備」という香港メディアもあります。

まず、今回の就役で中国は空母3隻体制に入るわけで、これは単純に「戦力が増えた」というより、訓練・整備・実戦のローテーションが可能になったという意味が大きい。つまり、常に1隻は外洋で運用できる体制が整ったということです。

次に、福建は中国として初めてカタパルトを搭載した空母で、しかも従来の蒸気式ではなく、電磁式(EMALS型)です。これはアメリカのフォード級空母に搭載されているのと同様の技術で、中国がこの技術を実用化したのはアメリカに次いで世界で2番目とされています。

このカタパルトの導入により、これまで中国空母が苦手としていた早期警戒機(KJ-600)などの重い航空機の発艦が可能になると見られています。技術面では、中国海軍が確実に近代化していることの象徴と言えるでしょう。

ただし、福建にはいくつかの重要な制約もあります。

最大のポイントは、福建が原子力空母ではないということです。推進方式は通常動力(ガスタービンとディーゼルの併用)であるため、航続距離や速度には限界があります。アメリカの原子力空母のように長期間にわたって高速で展開する能力はなく、燃料や艦載機用の補給に依存する構造です。つまり、外洋での長期作戦や迅速な機動性にはやや不利な立場にあると考えられます。

さらに、台湾有事のような実戦を想定した場合、福建の運用には相当なリスクが伴います。西太平洋にはアメリカや日本、台湾が展開する対艦ミサイル、潜水艦、無人偵察システムが多数存在しており、空母は最も狙われやすい目標になります。現実的には、福建が前線に進出することは難しく、後方にとどまってプレゼンスを示す「政治的兵器」としての役割が中心になると考えられます。

ちなみにアメリカは、フォード級空母(CVN-78)をすでに運用中ですが、次の艦(CVN-79以降)については慎重に進めており、急速な量産はしていません。その理由としては、

  • 単艦あたりの建造コストが非常に高額であること(1隻約130億ドル)
  • 新技術のトラブルが相次いだこと(EMALSや着艦装置の不具合など)
  • 空母という存在自体が、現代の戦場ではミサイルや潜水艦に対して脆弱になってきていること

といった背景があります。

そのためアメリカ海軍は、空母戦力を「数を増やす」よりも、「技術を成熟させながら精度高く使う」方向に舵を切っている状況です。

総合的に見れば、福建の就役は中国海軍の大きな進歩であり、戦力の「質的向上」を象徴する動きであることは間違いありません。しかし、実戦でどれだけの役割を果たせるかという点では、まだ制約も多く、慎重に評価すべき段階だと思います。

現時点ではむしろ、「空母を持った」というメッセージ自体が国際社会へのアピールであり、情報戦や政治戦の文脈で使われる兵器としての意味合いが強いのではないでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA