中国の認知戦は青少年がターゲット(2025年8月22日作成)

私は母親から、そして日本昔話の数々から、多くのことを学んできました。私の子どももすっかり大きくなり、今では私の戯言には耳を貸さなくなりましたが、幼い頃は、私なりにアレンジした昔話を夢中で聞いてくれたものです。

物語は人の心に静かに染み込み、価値観や判断を形づくる力を持っています。

戦争においても「物語(ナラティブ)」は心理や認知に影響を与え、敵への憎悪を生み、戦争支持の世論を形成し、善悪を二分する枠組みを築きます。思い返せば、人類の戦いの原点は心理戦にありました。恐怖や憎悪をあおり、士気を高め、相手を萎縮させる――そこから物理的な戦いへと移り、やがて情報システムを駆使する戦いへと進みました。そして今日、再び人間の認知や心理そのものを操作する「認知戦」が前面に出ています。すなわち、心理戦→物理戦→情報戦→認知戦という流れは、一見「元に戻った」ように見えて、より精緻で高度な形へと進化してきた。これこそ、人類の歴史が「螺旋的に発展」している証左なのです。

現代の認知戦において標的となるのは、指導者やインフルエンサーです。しかし忘れてはならないのは、未来を担う青少年もまた、その矛先に晒されているという事実です。

たとえば中国共産党には青年組織(共青団)が存在し、日本のリベラル政党や宗教団体も若者を対象とした活動を展開しています。これらはいずれも、青少年への啓発教育の重要性を認識している証左と言えるでしょう。さらに中国は、国際交流の名目で日本国内の親中組織と連携し、青少年交流を盛んに企画しています。その背景には、歴史認識の形成において青少年こそが最も重要なターゲットであるという戦略的見解がはっきりと示されているのです。

では、大人はどうするべきでしょうか。いきなり「認知戦」の危うさを説いても、青少年の心には届きません。まず私たち自身がインテリジェンスを理解し、情報リテラシーを高めること。そして、自ら語り部となって、若い世代にその知を伝えていくことが不可欠です。しっかりとした知識を持ち、青少年のリテラシーを啓発する――そのために書き上げたのが、新著『15歳からのインテリジェンス』です。

本書は、青少年が直接読んでも理解できる内容になっています。しかし同時に、大人のみなさんがまず手に取り、自ら学び、語り部となって若い世代へ伝えていただくことで、より大きな力を発揮します。もちろん、もし青少年自身が関心を持ち、本書を手にしてくれるなら、それは何よりも歓迎すべきことです。――『15歳からのインテリジェンス』は、大人と青少年をつなぐ架け橋として生まれた一冊なのです。

『15歳からのインテリジェン』の発売日は9月10日、渾身の一冊『兵法三十六計から読み解く中国の軍事戦略』は9月27日です。

次週も前者に纏わるお話をし、その次の週から少し、現在の中国の台湾や尖閣における現状と日本の対応に関するお話へと発展させていきます。

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